事務処理は大切な仕事。クライアントさんと信頼関係を築くには不可欠です。
今回は私の失敗話をご紹介します。私は、ご存知の通り?前職はデザイン会社を経営し、自らもグラフィックデザイナーとして活動していました。当時、大手広告代理店が顧客としてありました。その広告代理店の担当者から、ある日「デザインだけじゃ食っていけないよ」と叱られました。理由は、事務処理がいい加減すぎたのです。
当時の私は、デザインはクオリティが命、デザインが良ければ仕事はくると自負していました。そんな訳ですので、デザインのクオリティを追求することが自分の仕事のすべてで、見積書・納品書・請求書などの事務処理を仕事と思っていませんでした。数字の間違いや発行遅延などを繰り返していて、デザインの誤植などの問題と比較して、そんなに重要な問題として捉えていませんでした。そんな自分をその担当者は見かねたのでしょう。今考えれば当然です。結果的に取引継続が危うくなり、長年築いてきた信頼関係を一瞬にして失う、その一歩手前までいきました。本当に落ち込み、反省した。今でも当時の気持ちを覚えています。
クリエイターのみなさんのなかには、私のように“つくる”に集中して、事務処理までに手が回っていない、気にしていない、なんて方も少なくないと思います。そういったクリエイターさんの気持ちも十分に理解できます。でも、ここで一度立ち止まって、事務処理をはじめとする雑務の重要性を考え直していただきたいのです。
見積書は、詳細まで明記してますか?納品書・請求書は、すぐ発行していますか?
例えば見積書、納品書、請求書は、どうしていますか?例えば見積書、「一式」などざっくり表記になっていませんか。見積書は、一つ一つの依頼内容に応じた制作物の内容と金額を可能な限り正確に明記することをおすすめします。可能であれば納品形態、報酬支払形態・条件、納品した作品の使用範囲、著作権の権利関係事項などを明記するとさらに良いと思います。私は、業務委託契約書までと言わなくても、見積書は「契約書的な書類」だと思います。納品書、請求書は、納品後に速やかに提出するのが基本です。クライアントに要求されてから提出するのでは遅いと思います。制作物のクオリティで加えて、こうした事務処理で信頼関係を築くことができれば、その関係は最たるものになるはずです。
たまには自分の事業の“数字”と向かい合ってみませんか。現状把握することができます。
また、たまには自分の“数字”と向かい合うことおすすめします。帳簿や損益計算書・貸借対照表などの“数字”は、今の事業の状態を客観的に表したものです。例えば売上台帳を見ることで「来月はもう少し頑張ろう」、経費の台帳を見ることで「来月は少し節約しないと」なんて、気づき思うことができれば、事業者として大きな成長です(正直、数字から目を背けたくなることもあるますが・・・)。現状把握することで、今後の方針・目標などを策定することもできます。ぜひ“数字に強い”クリエイターを目指してください。
新しい挑戦へ。新しい展開へ。スタートは、現状把握すること。
今、どの業界でも、低価格&短納期の流れになっています。クリエイティブ業界は特にその傾向が強いと個人的には思います。毎日、納期に追われているクリエイターからしてみれば、事務処理、帳簿付けは、後回しになりがちです。そこでおすすめしたいのが、無料および優良のソフトを上手く使うことです。今の時代、帳簿付けの優れたソフトがインターネットで配信され、販売されています。クラウド系のソフトを使用すれば、インストールによるソフトのデータ量によるPCのパフォーマンス低下にも影響しません。おすすめの会計ソフトについては、今後、機会があれば紹介したいと思います(当事務所では、弥生会計を使用してます)。
クリエイターさんには本業に集中してほしい。会計記帳を代行します。
もう一つが専門家にお願いすることです。中小診断士さん、税理士さん、コンサルタントにアドバイスを求めてみたり、顧問契約を結ぶことです。行政書士の業務にも会計記帳があります。当事務所でも、クリエイターさんの支援の一環として会計記帳の代行業務を行っております(詳しくは、事務所のホームページをご覧ください。https://take-gyosei.com)。依頼することで、面倒な帳簿付けの時間、クリエイティブ活動(本業)に集中することができます。行政書士としても、みなさまの事業の片腕となって一緒に成長していける、そんな素晴らしい仕事だと私は感じています。会計記帳により、みなさまの事業の現状を把握することができ、新しい事業展開へ向けてのお補助金・給付金、融資の申し込みの支援も可能です。お気軽にお問合せください。
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