ドローン飛行許可について(Vol.1)
「飛行許可が必要なケース」

ドローンの登場により、空撮の世界が一変。

今から20年以上前、私が広告会社に勤務していた時代、お客さまから会社や工場の空撮の撮影を受けるとヘリコプターをチャーターして撮影していました。当時はこの方法しかなくコストが膨大にかかり、複数の会社の空撮を同時に行うなどして、なるべくコストを押さえる工夫をしてましたが、やはり予算的なハードルが高く見積もり段階でキャンセルということも珍しくはありませんでした。当時の記憶では、小型気球を活用した撮影もあったのを覚えています。
それがドローンの登場により一変しました。今や空撮は、当たり前のようになってきています。ドローンで撮影した映像を目にしない日はないくらいです。ドローンの登場は「空の産業革命」とも表現され、その活用方法は空撮だけではくイベント、建物調査、農薬散布などにも広がっています。2020東京オリンピックの開会式でのドローンによる演出は、記憶の新しいところです。
しかし急速に普及してきた背景には、さまざまな問題が発生していました。2015年にの本の首相官邸とホワイトハウスの屋上にドローンが落下するという事件をきっかけに、ドローン飛行の「安全」やドローンによる撮影の「プライバシー」の問題が見直され、さまざまなルール(法律、規則など)が整備されるようになりました。

ドローンの飛行許可が必要なケースは、9つ。

ドローンの飛行許可が必要になったのは、2015年の12月からです。ドローンとは、人が乗ることができない構造の、空を飛ぶことができる総重量200g以上のラジコンです。200g未満のものはドローンでなく、飛行許可申請の対象にはなりません。飛行許可が求められるケースは、3つの「飛ばす空域」(図1)と6つの「飛ばす方法」(図2)の計9つに分類されています。

ドローンの飛行許可が必要なケース。3つの「飛ばす空域」

図1:ドローン飛行許可が求めらる「飛ばす空域」

①空港周辺の空域
飛行場やヘリポートの周辺です。飛行機やヘリコプターとの衝突の可能性があるため、ドローンを飛行させるには許可が必要になります。空港周辺の空域は、国土地理院地図とインターネットで調べるこができます。
②地表・水面から150m以上の空域
この空域も飛行機やヘリカプターとの衝突の可能性があるため許可が必要です。ここで注意していただきたいのが、「150m以上の空域」は標高(海抜)ではなく、地表・水面からです。つまりドローンを飛ばそうとする場所から150m以上の上空、例えば海抜100mとの場所で飛ばす場合、250m以上の上空ということになります。
③人口集中地域内の空域
人口が集中する地域では、ドローンが不具合により墜落した場合、人や建物と接触する可能性が高いため飛行には許可が必要です。人口密集地域は、DI D地域とも呼ばれ、具体的には国土地理院地図内で「人口集中地域」を選択して調べることができます。

ドローンの飛行許可が必要なケース。6つの「飛ばす方法」

①夜間の飛行
夜間の飛行は、ドローンの位置、周辺の障害物の状況把握が難しく、ドローンの操作が難しく危険が伴うため許可が必要です。夜間に飛行する可能性が少しでもあれば、許可を取得ことをおすすめします。
②目視外の飛行
双眼鏡やドローン のカメラ映像が写し出されるモニターを見ながらドローン飛ばす場合、視野が限定され周辺の状況把握か難しくなるため、許可申請が必要です。ドローン操縦者が直接ドローンを見ることができない場合は、すべて目視外の飛行にあたります。
③人または物件から30m以上の距離を保てない状況での飛行
ドローンは、基本的に人または物から30m以上の距離を保って飛行する決まりになっています。それが不可能な場合の飛行は許可が必要になります。人は第三者、物件は他人の建物などです。山や草など自然に存在しているもは物件に含まれません。
④イベント上空での飛行
多くの人が集まるイベントの上空は、ドローン の不具合により大きな事故にもつながるため、飛行許可が必要になります。
⑤危険物の輸送
燃料、農薬などの危険物をドローンで輸送する場合には、飛行許可が必要です。例えば農家さんが畑に農薬を散布する場合が、このケースに当たります。
⑥物件の落下
上空から物を落下するする場合、地上にいる人への配慮が必要です。また落下という動作で°ドローンがバランスを崩し墜落する可能性があります。上記理由から物件の落下には許可が必要です。

許認可申請して、いいフライト、いい仕事を。

以上が、ドローンの飛行許可が求められるケースです。ドローンを飛行させる場合、上記のケースに該当するか確認してください。「ここは大丈夫だろう」と思っていたら、実は許可が必要だったというケースもよくあります。当事務所では、ドローンの飛行許可の申請の代行から、許可申請の相談もお受けしています。少しでも気になることがあれば、お問い合わせください。

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